慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
▮慢性閉塞性肺疾患とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病です(日本呼吸器学会HPより)。
【原因】
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。
【疫学】
順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディ(2001年発表)の結果、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されました。しかし、2017年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者数は22万人です。つまり、COPDであるのに受診していない人は500万人以上いると推定されます(COPD情報サイトより)。
【症状】
・慢性的なせきやたん
・動いたときの呼吸困難
上記の2つの症状が主ですが、骨粗しょう症を持っていることが多いため、骨折しやすいと言われています(R Q Graumam et al. Osteoporos Int. 2018 Jun)。
また、他にも全身性炎症疾患、心・血管疾患、消化器疾患、不安やうつ、代謝性疾患、睡眠時無呼吸症候群の併発もあると言われています。
▮慢性閉塞性肺疾患の治療
【目的】
①症状とQOLの改善
②運動耐容能と身体活動性の向上および維持
③憎悪の予防
④全身依存症と肺合併症の予防と治療
(慢性閉塞性肺疾患ガイドラインより)
【具体的方法】
①薬物療法
②非薬物療法
ー 運動 ➡ウォーキングなどの有酸素運動は呼吸困難を軽減し運動耐容能を高めます。
- 呼吸リハビリテーション
- 栄養指導
- 重度の場合 ➡酸素療法、外科療法など
▮呼吸リハビリテーションは何をするの?
動きやすい身体づくりと症状の進行予防を目的として行います。
①口すぼめ呼吸
②体幹(主に胸郭)、頸部筋のストレッチ
③下肢の筋力トレーニング
④動きながらの呼吸練習 (理学療法ハンドブックより)